2019/06/30 09:06

入荷するにあたり、エスパドリーユの歴史をついて様々調べました。へぇ〜そうだったんだ〜と知らなかったことばかりで、私自身もとても勉強になりました。その内容を記していきますね。
まずはエスパドリーユの始まりから…
上の写真は、エスパドリーユの原型と言われる13世紀のもの。それ以前の12世紀にはアラゴン王の歩兵がエスパドリーユらしき靴をを履いていたと云われています。(エジプト・ローマ・ネイティブアメリカの遺跡などでも発見されたという情報もあります)
そしてここから様々な進化を遂げ、バスク地方の地でエスパドリーユは誕生しました。(誕生した年は定かにされていません)そもそもエスパドリーユという名前は、エスパルトというイネ科の草を用いて作られていたことからだそう。(諸説あり)
それでは、写真を通して時代ごとにエスパドリーユの歴史を見ていきましょう。



14世紀頃には、農民や漁師の作業靴としてや祭司のために使用され、人々の暮らしに役立っていました。

それから時を経て18世紀頃から家々で作られてきたエスパドリーユは、麻職人や亜麻職人達も作り始め、1850年から1880年の間に手工業の段階から産業革命の前段階へと変化していきます。機械の改良も進み20世紀初頭入ると、エスパドリーユの聖地と言われるモレオン=リシャールでは、職人が1500人ほどに増え、エスパドリーユ生産の全盛期を迎えるのです。それから第一次世界大戦後の困難期を境にゴム製靴底のエスパドリーユが生み出され、1980年には中国製の安価で大量生産のエスパドリーユが市場に出回り始めます。それによりモレオン=リシャールの工房は困難に直面してしまいます…その困難を乗り越える為に職人達は、独創性を発揮した今までになかった色や柄を使い、更にファッション性のあるエスパドリーユを生産することだという答えに辿り着き、大きな困難を乗り越え現在に至るのです。

エスパドリーユを作る職人 バスク地方Hondarribiaにて(1900s)


バスク地方でポピュラーなスポーツ「ペロタ」の
競技選手達(1912s)

スペイン女兵士達 (1936-39s)

VOUGE (1930s)

1930年代以降は、ファッション要素があるデザインが次々と作り出されていきました。


1976年イヴ・サンローランがウエッジソールのデザインをパリコレで発表し、ファッショントレンドに大反響を与えました。

1980年代のスタイルにもマッチしているエスパドリーユ

著名人達もエスパドリーユの虜に。
その中のひとりピカソは、ドンキショースの愛用者だったそうです。

それに因んで因んで“PICASSO”という名のエスパドリーユが作られてました。
他にもエスパドリーユの虜になった方は…

サルバドール・ダリはアンクルリボンのデザインを好んで愛用していました。

様々なトレンドを築き上げたココ・シャネルも虜に。(1930s)

ゲンスブールとジェーン・バーキンお揃いのエスパドリーユを履いて(1970s)

ウエッジソールのエスパドリーユとダイアン・キートン(1972s)お隣はウッディ・アレン

ドンキショースの創設者Erreguible家の息子
Henry氏 バスク地方の伝統品バスクべレーを
被りながら
最後まで読んで頂きありがとうございました。
何世紀にも渡って現代も在るエスパドリーユの背景には、その時代毎の人々の知恵や工夫が繋がり合って生み出されたものだと感慨深いものがありました。エスパドリーユをはじめ様々な伝統品というものは、いつの時代も現代に生きる人達の心を豊かにしてくれるものだと思います。決して在ることを当たり前に考えず、作り手の思いもその物も大切にし、これから先も私達の暮らしに寄り添い続けるものであって欲しいと思います。
※様々な情報を得て調べに調べ記しておりますが、万が一異なる点がありましたらご了承ください。